
日本の水産会社がサンマの養殖に成功したらしい。
「出荷の目安になる1匹100g超に成長し、事業化できるレベルに準じる密度でそのまま水槽で飼育できることを確認した」という。
「半年程度で出荷できるまでに育つ」そうだ。
この会社はこれまでにクロマグロやマダイの養殖に成功してきていて、養殖は難しいとされてきたサンマ養殖に取り組んでいた。
そしてここまでの養殖実績で培った養殖の技術を駆使してサンマについても事業化レベルに届く方法を見つけたということらしい。
このニュースを新聞記事で読んで最初に思ったのは、これは果たして朗報なのだろうか…という点。
というのも、これまで、いわゆる養殖モノという存在に好感を抱いたことは一度もなく、むしろ不快感をもたらされるだけだったことが大きく影響している。
例えばハマチ。
ワサビと一緒に醤油に身を浸した瞬間に広がる油膜をご存じだろうか。
脂がたっぷりのった寒ブリでさえ、こんなことは起きない。
悪い餌を食べさせられて育つからこうしてすぐ溶け出してくる脂しかつかないのであって、いかにも不自然なのだ。
加えて鼻を衝く匂い。
狭いところで飼育するから当然のこととしてハマチは病気にかかる。それを防ぐために餌に大量の抗生物質を混ぜるから、育った魚体からは抗生物質の嫌ぁ~な匂いが漂う。
これは狭い鶏舎で大量に飼われるブロイラーの鶏も同じ。
焼き鳥にしたら嫌な脂は下に垂れ落ちてしまって、それほど匂わないが、蒸したり、煮たりするともういけないあ
鼻がひん曲がるほどの悪臭が漂う。
よくもあんな不味いものを人は喜んで食べるものだと感心するくらいだ。
このほか、ハマチの養殖ではエサにイワシを中心にした配合飼料ばかり食べさせたので、育ったハマチがイワシ臭かったり…
こういう悪評はもちろん養殖業者の耳にも届いていて、長い年月をかけて改善が図られてきた。
そのおかげで、以前と比べれば嫌な臭いが鼻を衝くこともなくなったようだし、イワシの味のするハマチなんてのも消えたようだが、餌に何が紛れ込んでいるか知れたものではない。
匂いなら嗅げば分かるが、人体に悪さをもたらすものが餌に大量に含まれているとしたら…
一方で、養殖物であまり抵抗なく口にしているのがウナギだ。
しかしこれだって、日本全国、どこに行っても天然ウナギが珍しくなってしまい、口にできることはまれで、仕方なく養殖物を焼いて、甘ったるいタレのヨロイを着せて舌をごまかし、「美味しい美味しい」と食べているだけじゃないのか?
かつて四国の四万十川を一人でカヌーで下った時、小さな集落の小さなスーパーのようなお店で売られているウナギが全部、四万十川で獲れた地元の天然ウナギで、これを焚き日の火であぶって焼いて食べたら「とても甘くておいしくて」、これがウナギの本当の味なんだと痛く感激したことがあった。
それは、ウナギが自分でエサをあさり、食べたいエサを食べて大きくなるから、その味が出るのであって、ニンゲンが強制的に与える抗生物質交じりのエサで育つ養殖モノがおいしいわけがないのである。
サンマがもとのように獲れる海にどうやったら戻せるのか…。そっちの方が先だろうに。
食べたい食材が消えたら、似たようなものを作り出せばいい…なんて考えは、創造主でもあるまいし、傲慢すぎる。

